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杉崎とも江マッサージ・はり灸治療室

座骨神経痛②解説編

更新日:9月21日


こんにちは。


京王・小田急多摩センター駅から徒歩2分のビルで鍼灸マッサージ院を開業している杉崎とも江治療室 副院長の杉崎 徹です。




前回は、私が19歳の時に患った【椎間板ヘルニアによる座骨神経痛】の経緯を患者の立場から書かせていただきました。




今回は、治療者として椎間板ヘルニアと座骨神経痛についてご説明したいと思います。



前回∶座骨神経痛①患者編






 椎間板ヘルニアとは


人間の背骨は、首から腰まで24個の骨が縦に連なっています。その骨と骨との間には【椎間板】というジェル状のクッションが挟まっており、骨同士が直接ぶつからないように守っています。椎間板の厚みはだいたい7㍉と言われています。


その椎間板が、何らかの理由で正しい位置からズレた状態を【ヘルニア】と言います。ヘルニアはラテン語で『脱出』という意味です。


ズレた椎間板は、すぐそばにいる神経を圧迫して痛みを引き起こします。それが【神経痛】です。


注1)赤くなっているのはヘルニアが起きている箇所を分かりやすくするためで出血ではありません


注2)標本の神経(黄色)はカットされていますが実際は足先まで伸びています




 座骨神経痛とは


24ある骨のうち、下にある5個のことを腰椎(ようつい)といいます。この5個の中で下の3個のそばに【座骨神経】がいます。


腰から始まった座骨神経は、尻→裏もも→スネ→足の甲を辿って指先まで続いています。

よりによってヘルニアという現象は下の3個あたりで起きるケースが多いため、一般的に【椎間板ヘルニア】イコール【座骨神経痛】と解釈される方が多いようです。



症状はかなり個人差があります。

私のように指先まで全部が痛む人もいれば、裏ももで止まる人もいたり、お尻だけが痛む人もいます。


痛み以外にも

①痺れ

②動かしにくさ(不全マヒ)

③強烈な冷え症

④頻繁に足がつる 


などが伴います。

これにも多くの個人差があります。



ー 診断


椎間板ヘルニアかどうかを判断できるのは医師だけです。それは法律やルールの問題だけではなく、そもそも画像がなければ判断出来ないからです。


座骨神経痛が起きる原因は椎間板ヘルニア以外にもあります。腰椎そのものが潰れていたり、1つの腰椎が前側にスライドしてしまっているという外科的なものから、子宮や卵巣・大腸などの内科的な病変で座骨神経痛が起きるケースがあります。


私たち鍼灸マッサージ師だけでなく、整骨院、柔道整復師、理学療法士、整体、カイロプラクターなどは、臨床経験を積んでいくとある程度の予測はつくようになり、起きている現象から背骨の異常を【推察】することは出来ます。


とはいえ、医師以外はCT検査はおろかレントゲン撮影すら出来ないのですから、座骨神経痛が起きている原因を正確に判断することは不可能です。

少なくとも私には、わずか7㍉の椎間板がズレているかどうかを外側から判断する能力はありません。


座骨神経痛の診断と治療には、

整形外科は絶対に欠かせません。



ー 治療


ほとんど場合は弱い鎮痛剤からスタートして徐々に強いお薬になっていきます。ここ数年でかなり強い鎮痛剤が使用出来るようになったので、それを短期的に服用して痛みを抑えていきます。

それでも痛みが続く場合や排泄がコントロール出来なくなった場合は手術対象となります。

おおむね数ヶ月、お薬を飲みながらお尻のストレッチを続けていくのが標準的な治療です。



ー 後遺症


これもかなり個人差があります。

お薬や手術で完全に治ったという方がいる一方、私のように再発を繰り返す方も少なくありません。

また、痛みが治まった途端に先に記した①〜④や筋力低下が急激に顔を出してくるケースも多数あります。

強烈な痺れ、氷を当てられているような冷たさ、夜中のこむら返り、お尻の肉が極端に落ちるなど。これまでは痛みで気にも留めなかった症状が主役となり、梅雨時やエアコンで強くなる傾向もあります。

近年になって【痺れ】に効果があるお薬が開発されましたが、それ以外の症状は対症療法や筋トレに頼るほかないのが現状です。



ー 原因


長野オリンピック男子スピードスケートの金メダリストである清水宏保さんも座骨神経痛が原因で引退を余儀なくされました。痛みは治まったものの精緻な運動機能が回復しなかったとインタビューで述べています。私自身も19歳という若さで極端な運動不足でも肥満でもありませんでした。


このことから年齢や体重、筋肉量や運動不足が直接的な原因とは考えられません。



共通する点としては。


長時間または長期間に及び、同じポジションに負荷を与える姿勢をキープしていたことです。あの時の私は固くて窮屈なイスに脚を組んだまま3時間過ごしていましたし、清水さんも競技の性質から常に同じ箇所に負荷が掛かる姿勢です。猫背を含めた【同じ姿勢を長時間キープする】のが一因になっているのは間違いないでしょう。


【冷え】というエッセンスも関わりがあります。スケートリンクは言うまでもありませんが、私も汗で濡れたTシャツのままエアコンに当たり続けていました。真冬よりもむしろ【無防備に寒冷に晒されていた】と言えます。



ただ、それでも説明出来ないことがあります。清水さん以外の選手も条件は同じですし、汗をかいたまま脚を組んで長時間座っている人はいくらでもいるでしょう。同じ条件下でも座骨神経痛になる人とならない人がいて、なぜ今なのか?も分からない。


要因はいくつか挙げられるものの、確たる原因は今も不明というのが実状です。




ー 鍼灸マッサージが出来ること


私のように1回の鍼で治ったケースもあれば、残念ながらまったく改善が見られなかったケースもあります。


次回はその違いについてご説明したいと思います。


次回③治療編



ご精読ありがとうございました。




杉崎とも江マッサージ・はり灸治療室


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