こんばんは。
京王・小田急多摩センター駅から徒歩2分のビルで鍼灸マッサージ院を開業している杉崎とも江治療室 副院長の杉崎 徹です。
インバウンド景気もあって、ここ多摩センターでも外国人観光客が多く見られます。少しでも多摩センターの良さを知っていただき、楽しい思い出を作っていただけたら嬉しいですね。
さて、今回のテーマは【ストレートネック】にまつわるご質問について。
世界でも有数の難解さで知られる日本語は、時に私たちですら勘違いしてしまう曖昧な表現がたくさんあります。
杉崎さんは、
ストレートネックを治せますか?
このご質問を頂く度、私はちょっとだけ答えに窮します。
その理由とは。
ー ストレートネック
かねてご紹介してきた通り、スマホやデスクワークなどの生活習慣で頭が下がり、自然な弯曲を失った頚椎の状態をストレートネックと言います。
ー 症状
自然な弯曲を失った首の骨と、その弯曲を支えてきた【首の後ろ側にある筋肉】には、頭の重みがダイレクトにのしかかります。その重さは一般成人で4〜6㌔と言われています。
重みに耐えきれなくなった後ろ側の筋肉は、いつしか頭を支えるという業務を放棄して【首の前側にある筋肉】に役割を押し付けます。
前側の筋肉にしたらタマったものではありません。
彼らは口との連携や首の縦横運動(うなずきやイヤイヤ動作)が主な役割なのに、頭を支えることまで強いられます。
結果。
前側の筋肉はスジばったように肥大し、仕事を放棄した後ろ側の筋肉は硬く、痩せ細ります。
症状は首肩のコリだけにとどまりません。頚椎の周辺にある自律神経へ悪影響を及ぼし、頭痛・腕の痺れ・不眠・吐き気・倦怠感など様々な症状をもたらします。
最初の質問に戻りましょう。
杉崎さんは、
ストレートネックを治せますか?
答えは、ノーです。
私は、ストレートネックを治せません。
ー え、治せないの?
ほんの少し表現が変わるだけで、質問の意図と解答が変わる例をご紹介しましょう。
杉崎さんは、
Q1∶ストレートネックは治せますか?
A∶治せません
Q2∶ストレートネックは治りますか?
A∶治ります
Q3∶ストレートネックを治せますか?
A∶治せません
この違いをお分かり頂けるでしょうか。
私たち治療者は、ストレートネックによって起きる様々な【症状】を治す為に精力を注ぎます。
患者さんは、ストレートネックになっている習慣を改めないと治りません。
鍼灸マッサージをすれば、勝手にどんどん頭の位置が良くなるわけではないのです。
この点を誤解されている方がとても多く、冒頭の答えに窮する理由はそこにあります。
ー 治療
当室には【整形外科でストレートネックと診断された】【この首のツラさはストレートネックが原因かも】という患者さんが多数お見えになります。
ストレートネックがもたらす諸症状の改善には【前側の筋肉のコリ】へのアプローチが欠かせません。
中でも【斜角筋∶しゃかくきん】は主犯格として有名な筋肉です。
斜角筋は、腕へとつながる血管と神経を挟むように位置しています。ストレートネックによって斜角筋が肥大し、腕の血行不良や痺れを引き起こすことを【斜角筋症候群】といいます。
青と緑∶斜角筋
黒∶神経の束(たば)
赤∶血管(動脈)
キーワードは、首の前側と後側をセットでアプローチすること。
当室の鍼灸マッサージは、ストレートネックによって起きている様々な諸症状をラクにして【首を正常な位置に戻すトレーニングを行える環境】を作ることです。
ー 継続の努力
首の症状がラクになったら、ストレートネックを引き起こす悪習を改善するためのセルフケアを促します。
ただ、その道程は決して容易ではありません。セルフケアを続けられるか否か、長い戦いを頑張れるか否かこそが、ストレートネックを改善する一番の治療です。
主役は、患者さん自身。
厳しい事を言うようですが、それをあやふやにして、さも『治ります』みたいなことを伝えることは私の主義ではありません。
ストレートネックは。
首の後ろ側の筋肉が正常に働き、前側の筋肉に過度な負担が掛かる状態を解消すれば治まります。
ただ、良くない習慣を改めることと、後ろ側の筋肉を改めてトレーニングするにはかなり時間が掛かります。
その間、トレーニングによる疲労が必ず起きます。その疲労を和らげるケアを両立してこそ、トレーニングが続けられるというものです。
トレーニングで痛くなるとトレーニング自体を諦めてしまう。
そんなジレンマに陥らないように、鍼灸マッサージで痛みを取りながらトレーニングをしていきましょう。
これが、冒頭のご質問への答えです。
巷の看板やSNSには、
【ストレートネック改善にはコレ!】【当院でストレートネック解消!】などと、あたかも治ると解釈してしまうタイトルで溢れています。
残念ながら、それは日本語の曖昧さがもたらす誤解です。受け取り側がどう解釈しようと、治療法はどこにも書いてありません。
当室に、その曖昧さはありません。
ご精読ありがとうございました。
杉崎とも江マッサージ・はり灸治療室
📞 042-374-672
(受付は午前8時30から)
東京都多摩市落合1-6-2
サンライズ増田7F
モバイルをご利用の方は下記↓の📞マークからお電話頂けます
Comments