こんにちは。
京王・小田急多摩センター駅から徒歩2分のビルで鍼灸マッサージ院を開業している杉崎とも江治療室 副院長の杉崎 徹です。
これを書いている時点で東京は強い雨だけですが、西日本では台風の影響は甚大のようです。被災された方々には、どうかお身体だけでもご無事であることをお祈り致します。
今回は、台風をはじめ気圧変動にも影響されやすい頭痛について。
とある女性患者さんに起きた症例を基に、簡単に出来る判別法をご紹介したいと思います。
ー 2タイプの頭痛を併発していることが分かった 40代女性Sさん
慢性的な肩コリを抱えていたSさん。
パソコン作業が多い中、数ヶ月前から軽い頭痛を感じていましたが、生活に支障がない程度だったので【まぁいつか治るでしょ】と何もせず過ごしていたそうです。
そうして暑さが始まった7月初旬、起床してすぐに目をしかめるほどの頭痛が起きたため慌てて脳神経外科へ受診。
幸い脳には異常はなかったものの【ストレートネックによる左の片頭痛】と診断され、処方薬と共にストレッチ法が記されたテキストを受け取りました。
それから1ヶ月、痛みに耐えながらセルフケアを続けるも一向に治る気配がなく、たまたま当室のブログをご覧になったそうです。
ー セルフチェック①
まず、ご自身がストレートネックかどうか簡単に分かる方法をご紹介します。
TシャツがYシャツの肩あたりに縫い目があると思います。その縫い目は肩のセンターラインを通っており、その線を延ばした先に【耳の穴】があるのが正しい姿勢です。
一方、耳の穴がセンターラインより前にある場合はストレートネックの状態です。
頭が前に落ち、耳の穴が前に↓
頭を正しい位置にしてみましょう。
まず天井を見上げます。
徐々にアゴだけを引き正面に戻します。
ストレートネックの方はかなりキツいと感じると思いますし、ほぼ間違いなく二重アゴになりますが、そこが正しい頭の位置なのです。
ー セルフチェック②
次に、
お風呂で分かる方法をひとつ。
頭痛の種類はかなり細分化されていますが、その中でも【筋緊張型頭痛】と【血管拍動型頭痛】が大半を占めると言われています。
筋緊張型の場合は【首】の筋肉が緊張することで生じるため、身体を温めると痛みが弱くなります。
血管拍動型は【片頭痛】や【偏頭痛】と呼ばれ、頭の周辺にある血管が過剰に拡張し、三叉神経を介してドクドクと痛みます。こちらは温めると逆に強くなります。
どちらの特徴があるか?入浴で痛みは変わらないかなど、専門医を受診する前に確認しておくと良いでしょう。
ー 治療
お風呂に入ると痛みは弱くなると仰っていたSさん。初回の施術後には『さっきまでの頭痛がウソみたいになくなりました』と喜んでお帰りになりましたが、1週間も経たないウチに再びお電話が。
その際は『これまでとは違うズキズキとした頭痛』を訴えており、以前よりも痛みが強くなっているとのこと。お風呂に入っても痛みは変わらないそうでした。
この状態から、
私は1つのストーリーを考えます。
Sさんは、2つの頭痛だと。
あたかも血管の拍動と合わせるようにリズミカルに痛むのも血管拍動型頭痛の特徴と符合します。
1回目の治療でピラミッドの先端にあった筋緊張型が取れて、その根底にある血管拍動性が主人公に躍り出たのでしょう。
ストレートネックによって自律神経の働きが乱れ、知らず知らずに血管の働きが過剰になっていった。
そして7月、頭の重みに耐えられくなった首の筋肉が悲鳴を上げた。
そう考えると説明がつきます。
2回目以降は、1回目の治療方法と並行しつつ血管拍動型頭痛に効果があるツボをチョイスし、入浴もシャワーだけにしていただきました。
こうして計4回。
Sさんを悩ませていた2つの頭痛は無事寛解し、今は通院されていません。
医師から授かったストレッチを続けるのはもちろん重要ですが、パソコン作業やストレートネックが続く限り再発の可能性はあります。
痛くならないこと、病気にならないことが一番ですが、どんなに気をつけても、月イチでメンテナンスしても、悔しいかな無病息災にはいられません。
大切なのは【症状が起きた時に改善できる手段】を持つことです。
Sさんは、再び頭痛が起きないよう医師からセルフケアを学び、コツコツと実践されました。
もし再び頭痛が起きた時には、鍼とマッサージで補うという方程式を持ちました。
この方程式は、1日も早く治ることだけでなく【再発の恐怖心】を下げる効果もあります。
ー 最後に
ドクターも私も、看板を出して、座って待っていることしか出来ません。
Sさんは、ご自身でクリニックへ赴き、数多ある治療院から当室を選ばれました。
その判断と勇気は、
大変なものだったと思います。
褒められるべきは、自ら行動し、選択し、セルフケアと治療の両輪を続けられた患者さんこそ。
Sさん、よく頑張りましたね。
皆さんにも、
そんな方程式が見つかりますように。
ご精読ありがとうございました。
杉崎とも江マッサージ・はり灸治療室
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