こんにちは。
京王・小田急多摩センター駅から徒歩2分のビルで鍼灸マッサージ院を開業している、杉崎とも江治療室の副院長 杉崎 徹です。
今回の受診例は、これまで出会った患者さんの中でも指折りの重症例です。今では有り得ない働き方が原因ではありますが、どうかそうならないようお気をつけくださいという意味を込めてご紹介したいと思います。
ー 箸も茶碗も持てなくなった
30代女性 Wさん
設計事務所にお勤めだったWさん。一級建築士として数々の現場を駆け回る毎日は、早朝深夜の残業や事務所で寝泊まりもザラという日々でした。
そんな生活が続いたある日。
お母様と食器を洗っていた際に茶碗をポロッと落とす。拾い上げようとしても上手く掴めず、とうとう茶碗は床へ。一部始終を見ていたお母様が慌てて119番通報。どんどん動かなくなっていく腕と強烈な痺れを感じながら救急病院へ。
診断は【両側の頚肩腕症候群】
脳に異常がなかったのはせめてもの幸いでしたが、腕の痺れも動かない指もそのまま帰宅。家族のサポートで休職の手続きを済ませ、都内の首専門クリニックで治療が始まりました。
いつ治るのか分からない中での治療は本当に大変だったと思います。信頼出来る主治医のもと懸命に治療を続けて1年、ようやく普通に動くようになったそうです。
ところが、そこからまた違う戦いが始まりました。動きや痺れが治るにつれ猛烈な首コリと腕のだるさに襲われるようになり、柱を見つければ背中をゴリゴリ押しつける毎日。
主治医の勧めもあってお住まいの多摩市内で鍼灸マッサージをお探しになり、当室のホームページを見てご来室されました。
ー 重度の頚肩腕症候群とは
筋肉のコリやオーバーユースにより、首から腕にかけての痛みや血行障害、感覚鈍麻などの神経症状を伴う【重度の首肩コリ】です。
最も特筆すべきは、頚肩腕症候群は【動かない】という運動障害まで発展してしまうこと。正座した後に【しびれてチカラが入らない】というご経験があると思いますが、あれが24時間ずーっと続いているとご想像頂けると分かりやすいと思います。この状態はもはや【不全マヒ】に近く、完全に元通りにはならない可能性もあります。主に超音波検査下での筋肉注射ほか服薬とリハビリを続けて運動障害の改善を最優先に治療が進みます。
ー 違う戦いとは
痺れや不全マヒが回復してくると【温かい】【冷たい】といった感覚と共に【痛い】も元通り感じるようになります。順調な回復過程の表れとも言えますが、Wさんは痛みのために休職を延長されるほどでした。
ー 治療経過
『なにぬねの』の『に』の時に首の前側に青スジが立ちます。その青スジは胸鎖乳突筋と斜角筋という筋肉で、ストレートネックなどの過剰な負荷が掛かると腕の症状を引き起こします。頚肩腕症候群では首の後側だけでなく前側へのアプローチがポイントです。
当室への通院は週1・2回が1年、復職してからの症状アップダウンが3年、発症から計5年掛かってようやく頚肩腕症候群の治療が終わりました。
Wさんはそれ以来ご来室されていませんが、それは後遺症なく過ごされている表れでしょう。
単なる肩コリと侮るなかれ、時には生活に関わるような事態にもなり兼ねません。特に前側の首にコリや痛みを感じた場合は専門医や鍼灸マッサージの受診をご検討下さい。
鍼灸マッサージは、そのお手伝いが出来ます。
ご精読ありがとうございました。
杉崎とも江マッサージ・はり灸治療室
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(午前8時30から)
※休診日も電話は繋がるようにしていますのでお気軽にご連絡ください
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