こんにちは。
京王・小田急多摩センター駅から徒歩2分のビルで鍼灸マッサージ院を開業している、杉崎とも江治療室の副院長 杉崎 徹です。
およそ20年くらい前に大きな変動を遂げた腱鞘炎治療が、近年再びフェーズを変えたようです。
ー 手術を勧められた
40代女性 Iさん
スーパーのレジ担当としてお勤めのIさんは、まだ手のかかる年頃のお子さんを育てるお母さん。仕事から帰れば抱っこや寝かしつけで手腕を酷使する毎日。軽い痛みを感じた時はシップを貼ってやり過ごしていましたが、とうとう人差し指の痛みと引っ掛かりが耐えられないレベルに。
整形外科の診断は【腱鞘炎】
注射を打つとすぐに症状は収まりましたが、医師からは【注射は2回までで、治らなければ手術です】と説明を受ける。
手術はイヤだし何か手はないか?と相談したママ友から当室をご紹介されました。
ー ステロイド注射
この治療法が普及して以降、当室から腱鞘炎の患者さんがいなくなりました。長い期間を要する鍼灸マッサージよりもはるかに即効性がありますから無理もありません。
ー 治療のリスク
ステロイドによる副作用や腱が脆くなるというリスクはもちろん、違う視点もあります。
端的に、お医者さんも患者さんもこの注射に頼りすぎました。この20年『注射すればすぐ治っちゃうからまた病院行ってきたわ』という方々の声を何度聞いたことか。酷使してもすぐ治るからまた酷使するという患者心理に気づいた近年、ようやく2回というルールに納まったということです。
ー セルフケアと治療
極論は使わないということに尽きますが、そうは言っても手を使わないわけにはいきません。シップやサポーターでケアしつつ、いかに使用頻度を下げるかがカギです。
まずは【やらないといけないもの】と【やらなくても済むもの】を区別しましょう。歯磨き、運転、抱っこ、キーボードなどの【やらないといけないもの】とは別に、窓を拭く、大根をおろす、タワシでこするといった【やらなくても済むもの】を回避することが不可欠です。
また、鉄棒の逆上がりの際に習った順手と逆手はご記憶にあると思います。日常生活ではなるべく手掌が上を向いた状態、すなわち【逆手】で行うようにすると負担が軽減します。
注射2回ルールが定着して以降、手術を回避したいと受診される方がチラホラいらっしゃるようになりました。Iさんの指がみるみる良くなるとは言えませんが、まずは手掌全体の柔軟性向上と痛みの軽減を図り、鍼灸マッサージでどこまで良くなるかトライしてから2回目の注射を行なう方向で治療を継続しています。
特にスマホ操作で親指の腱鞘炎を患う方が増えています。その指を一度休ませて、撫でてあげて下さいね。
ご精読ありがとうございました。
杉崎とも江マッサージ・はり灸治療室
📞 042-374-6723
(午前8時30から)
東京都多摩市落合1-6-2
サンライズ増田7F
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